ある俳優さんの事件について
まず、3年前のことが、どうして今頃になって問題になるんだ・・と思ったりしています。
もしも、(彼の起こした問題が)本当にどうしようもないくらいに酷い(悪質な)事であれば、もっと前に処罰されるべきだったのではないのかと。
この3年間はどのような意味があったのかと。
何の罰も受けず、普通に暮らせていた・・わけだから。
世の中(の人たち)も、普通に、「いい俳優さんだ」と思っていた・・。
ところが、この事件が発覚するや、手の平を返したような対応。
仕事が無くなる。
悪い人間だと決めつけられる。
それも、女性に対してのセクハラだから、なお過敏に受け止められる。
この、セクシャルハラスメントに関しては、ここ最近の「MeToo」騒動以来、少し過剰過ぎるんじゃないのかなと思う位、世の中が反応していると思う。
もちろん、相手の意志を無視した行動は良くない。許されない範囲はある。
が、それが嫌であれば、出来るだけ時間を置かないで、訴えるべきだと思う。
ある程度の時間が経ってから、
「あの時は、酷いことをされた。」
と後出しジャンケンのように言われても、
「その時は、何も言ってなかったよね。嫌だとか、やめてとか、そんなこともなかったよね?」となる。
「言えなかったのよ。言えるような雰囲気じゃなかった。そこは、察してくれないとだめじゃないの!」
相手が、自分よりも社会的な地位が高かったり、上司であったり、お世話になっている人の紹介だったりすれば、頭ごなしに拒否することは出来ないのもわかる。
まして、性的な行動は・・先が読めないという面があるから。
(そこから)どうなるのか・・、どこまでなのか・・、何をされるのか・・
わからない。
だから、その場で、直接的な行動を取れないのだ。
それはわかる。
が、何年も前のことを、取り出されて言われても・・どうなのだろうとも思う。
もちろん、今回のことばかりを指して言っているのではない。
今回の事件は、セクハラを受けた女性が、そのお店の責任者を相手にクレームをつけているのだから、それなりに、早い対応はしている方なのだろう。
でも、どうなのだろう?
そのセクハラをした俳優は、そんなクレームが出ていたことを知らなかったのだろうか?
他人事に済ませられると思っていたのか?
何倍返しものペナルティーが後々にかけられようとは、思わなかったのか?
「あれくらいは、普通でしょ。」
と認識するくらいの出来事だと思っていたのか。
彼は、大きな代償を払うこととなった。
人前に出て、言いたいこともあるだろう。釈明したいこともあるだろう。
でも、それは、現在のマスコミ体制では難しい。
圧倒的に、悪者と決めつけられている中で、どんな発言をしても悪意に捉えられるに決まっているからだ。それが、今のメディアの特徴だ。
大衆の意見を見ながら、メディア自身の対応を決めていく。
大衆がノーなら、メディアもノー。
全く、独自の意見がない。
スポンサー企業のお金で、メディアが成り立っているのだからそれは仕方がないといえばそうなのだろうが。
しかし・・
昔、「不倫は文化だ」と言って、糾弾された俳優さんがいた。
でも、実際の歴史をみれば、そう言っても問題はない。
「不倫」は最悪だ!と言っていながら、『源氏物語』を最高の作品と言う。
矛盾は、社会の専売特許とはいえ、あきれ返ってしいまう。
私は、セクハラや不倫がいいと言っているのではない。
もう少し、詳細を冷静に紐解こうと言っているだけだ。
今という不明瞭な倫理観に翻弄されないで、長い人間歴史の通時的な所業を精査して、冷静にジャッジした方がいいと思っているだけだ。
あの、俳優さんは、今何を思っているのだろう?
反省の日々を送っているのか・・。それとも、理不尽な世の中を恨んでいるのか。
生きる時代が違えば、何も問題はないじゃないかと、嘆いているのか。
オームだ。
「風の谷のナウシカ」の、真っ赤な目になったオームだ。
今の世の中は。
視界が狭くなっている。
いや、狭くさせているのか・・。一部の権力者たちが・・それはわからない。